つれづれ

好きなもの、漫画とかサンホラとか。だらだら記述していきたいです。

ハロウィンと夜の物語3【復刻】

つづき

 

今まで、歌詞の情報をひたすら整理してきたので、疑問点をまとめてみたいと思います。
個人的には、3曲目のおやすみレニーがもっとも不気味で、疑問点も多いので、おやすみレニーを軸に疑問をまとめていきたいと思います。

1歌詞カードに書かれていない『それからはジョニーと2人、何を企んでいたの~』あたりの歌詞。
SHには確かに、語りや外国語部分が書かれていないことは多いですが、ここまで前後の繋がりがありはっきり歌っている部分が書かれていないことは極めて珍しいです。絶対に意図的にしていることです。
もしこれがケイトの見たくない真実だとしたら、ケイトは本当はレニーをハロウィンに参加させなかったのではないかとか。屋根裏とはSH的に不吉な場所ですから、レニーはそこで閉じ込められていたとか。
もしくは、レニーとジョニーが秘密にしていたから、お見通しだけども歌詞には書かなかった母の優しさとか。色々考えられます。

2ケイトは、この歌をだれに語りかけているのか?
最後の語りにもあるように、誰かに向けて語りかけているようではあります。しかしそのわりには、曲の途中殆どレニーに向けて歌っているようです。そのあたり、この曲の不気味さが感じられる部分なのかなと。

3歌詞カードの一番下にある、「真実は虚偽であり・・・」の詩の意味は?
もう、わけがわかりません。これからの地平線を示唆していることは何となく分かるのですが、これはケイトはじめ登場人物が自分の信じたい現実を信じているにすぎないと言っているのでしょうか。
星の綺麗な夜で、『第9の現実』など見たくない・・・という歌詞もあり、もしかしたら第8は第9と密接に関わってくるのか・・・?と思ったり。

4ジョニーの出生は?
ジョニーの母と目されるディアナは、夫である『男』を破落戸の野心家に殺されています。
野心家は、『ツキあいたい女、ハメるため』に男を殺しています。順当に考えればジョニーは『男』とディアナの子どもですが、もし野心家がディアナを本当にハメていたとしたら・・・?

と考えるのは、歌詞カードを透かしたときに、松葉杖をついた『男』と思しき人物を狼の少年が襲っているように見えるからです。狼はジョニーですが、ジョニーの父親がもし野心家だったら、このイラストも示唆的だなあと思います。また、ジョニーは、ジャケットイラストで狼をかぶっている少年だと思われます。昼バージョンの時、金髪ですね。ケイトの子どもであるレニーは、ケイトそっくりの赤毛なのに、なぜジョニーは・・・という考え。SHは割りと親子や兄弟の見た目がわかりやすいことが多いので、少々引っかかりました。のため、上のような考えに至った次第です。

その場合、『友達(ジョニー)』を恨まないと歌っていたケイトのことも少しわかりますね。
「兄を殺した男の子どもであり、さらにレニーが死ぬきっかけとなったハロウィンをレニーに教えた」のです。
『リバモア記念日だ~~~~~』と大興奮していましたが、その時は純粋に兄の子どもだと思ったのに、その後兄の子ではないことに気づいたから、その時はとても粋な演出だと思った・・・とか。
『リバモア記念日だ~~~~~』と言ったのは実際夫のショーンの方で、ショーンはケイトの兄と会ったことがないはずですので、ショーンは純粋に兄の子だと思い、ケイトは養子の違いから兄の子ではないとジョニーを見て気づいたとか。

その場合でも、可笑しくて可笑しくて泣きました・・・は違和感がある気がします。
ディアナとジョニーしか居ないということは、兄が死んでいるのは確定なわけで・・・まあ、3人異国の地で暮らすのに必死で、当初の「兄を探す」という目的をいつのまにか忘れかけていたのに、こんなところで兄の消息がわかるとは・・・という滑稽さという捉え方も出来ます。
ちなみに、ディアナが流産して養子をとったということはないと思います。
ジョニーもディアナも、声優の沢城みゆきさんが声をあてているからです。
父親はどうあれ、母親はディアナなのかなと。


5なぜ夫がリバモアという名前なのか?
もちろん、偶然リバモアだったから縁って不思議だわというように捉える事もできます。
しかしここで気になるのが星の綺麗な夜で出てきた『シェイマスだかウィリアムスだか・・・』という歌詞。
ここだけ不自然に人名がポンと出てきます。
これに関しては友人がこのような情報を教えてくれました。

シェイマス(seamus)=アイルランド語人名、英語圏ではJames
語源は聖人Jacobだが、Jacobの派生名はいろいろあって英語圏Jackもそのうちのひとつ
Jack-o'-lanternはWill-o'-wispという伝承をもとにしたもの(o'という記述もアイルランドのもの)
「シェイマスだかウィリアムだか」はこれ由来?
派生系のうちのひとつJamesは「取って代わるもの」という意味(由来は不明)
Williamは「勇敢な守護者」、Sean(ショーン)は「神の恩寵」
ショーンの語源Johannes(ヨハネ)は聖書では聖人ヨハネ

これでさらに気になるのは、ヨハネとヤコブが兄弟ということです。
ショーンはケイトの夫なので、必然的に生前の似非、『男』の名前はシェイマスということになります。
しかし、シェイマスとショーンが兄弟だとしたら、必然的にケイトとショーンも兄弟となりこれはさすがに不自然です。シェイマスがアメリカに渡ったのは、早くても10代後半から20代辺りだと思われます。(イラストから考えても、異国へ行くという選択から考えても)
その後両親に弟が出来たとしても、ケイトとショーンの年齢の印象から合いません。(ショーンの声は中村悠一さんが担当していますが、良い父親と言った感じで、特別かなり若い印象を受けません)

考えられるのは、『爺』の子どもではないかと。つまりケイトからみて叔父。
これだと年齢差の印象も合いますし、当時のアイルランドの状況を考えると、子どもを下働きに出したり離れて住んだりということは珍しくないと思われます。アイルランドでは、歴史が飢饉前と飢饉後に分けられるほど膨大な被害を受けました。日本人の考える飢饉とは比べ物にならないほどだと思います。実際にアイルランド語を話せる人が激減して英語が主流になったとか。

その場合、近親相姦のためレニーの体が弱いとも考えられます。
ケイトとショーンは『自分たちも含めて恨まない』と歌っており、その場合は2人が近い血縁にあったことを結婚後に知ったがその現実は見ないこととした、とも考えられます。
が推測の域を出ませんね。

さらにこの考えを採用したとして、ゴールドラッシュに行ったのはシェイマスではなくてショーンではないかとも思いました。
あのゴールドラッシュのくだりだけ浮いており、また先の記事で述べたように流れとして不自然な気がしたからです。実際全員集合!と言うような愉快なキャラはショーンのものでは?と思ったり。
ショーンケイトのリバモ一家は、『夫の仕事の都合で「山間の街」』に引っ越しています。その仕事がゴールドラッシュ関係のものだとしたら・・・?
この曲で2人の人生を歌っているからこそ、最後死にゆく時にシェイマスとウィリアムスがごちゃまぜになっている・・・と考えました。ただその場合ショーンも死んでなきゃおかしいのでは・・・と思いつつ。

なかなかに妄想ですが、これも1つの考えということで、ご容赦ください。

そして、ハロウィンの途中で死んでしまい、死んでもハロウィンを繰り返すレニーオランタンと、故郷から伝えられた陽気なハロウィンの最中、この行列についてゆけばディアナに会えるのだろうか・・・と思いながら死んでしまったシェイマスが出会うこととなります。