つれづれ

好きなもの、漫画とかサンホラとか。だらだら記述していきたいです。

ハロウィンと夜の物語考察1【復刻】

過去別のブログでやっていたものの復刻版というか、読まなくていいです。自分用にまとめておきます。もったいないので。

 

 

1星の綺麗な夜 から。

『石工の爺が吹き込まれた~~』の部分。
ここはおそらくイギリスからアイルランドに渡ったと思われます。
このあとの歌詞『必死に育てたジャガ芋は腐り~』の部分は、アイルランドで起きたジャガイモ飢饉のことを指しています。当時まだ余り知られていなかった疫病により、当時ジャガイモを主食としていたアイルランドは大打撃を受けます。
ただ、その飢饉の始まる前から、アイルランドはイギリスの支配化にあり、貧しい暮らしを強いられていました。わざわざイギリスからアイルランドに渡って農民となったことをとち狂ったと表したのだと思います。

1815年~1845年の間に、約100万人がアイルランドからアメリカに移住したようです。
ちなみに、ジャガイモ飢饉が最もひどかったのは1845年~1849年ごろのよう。アイルランド自体はそれよりも前から暮らしぶりが厳しかったようなので移民は1815年から記録されているようですが、ジャガイモが泥にかわっていく様子を『爺の孫にあたる男』が見ているようなので、おそらく1845年ごろアメリカにわたったのではないでしょうか。

その後の歌詞、『棺桶船』
これは陛下の造語ではなく、実際に当時アメリカで言われていたようです。
アイルランド人はもともとの貧困で、荷物や家畜を運ぶような船に箱詰めになって長い船旅をしていたようです。その結果船の中で熱病が流行することが多々あり、船の中もしくは着いた直後に20%くらいの人が亡くなってしまっていたらしいです。その様子をみて、アメリカの港ではアイルランドからの船を『棺桶船』と呼んでいたとか。20%という数字は『5人いたらその中で一人は~』の部分に反映されています。

<明白なる天命>
これはマニフェスト・デスティニーとも読まれています。
白人による、アメリカ大陸の開拓・支配の正当化に使われた標語のようです。
その後、『見晴らしの良い丘』をブエナビスタと読み、テイラー将軍に続く場面もあることから、男が米墨戦争に従事していることが伺えます。
実際に、アメリカに来るのにほとんどの私財を使い果たしてしまったアイルランド人は、米墨戦争をはじめとしてアメリカ軍に所属することは多かったようです。
ちなみに、竜騎兵とは、火器で武装した騎馬兵のことです。もうしばらく時間が経つと、戦争に馬を用いることがなくなり竜騎兵は廃れますが、当時は豪の者の代名詞だったようです。現在の軍隊にも竜騎兵にあやかった勲章などがちらほらあるよう。

次に男は、同胞としての意識はどこにあるのだろう?という独白を行っています。
『聖パトリック大隊』とは、米墨戦争の際、アメリカ軍からメキシコ側に寝返った人たちのことです。もともとアイルランドカトリックが主流で、侵略の際メキシコ人にもカトリックが多かったことへの同情から、メキシコ側の味方をしたと言われています。
男は、『実利ある日々の糧(パン)』を選び、同じアイルランド人で同じ宗教を信じる聖パトリック大隊を撃ったとあります。実際には、宗教的な理由だけではなく、アメリカ軍のアイルランド人に対する対応の悪さなども寝返りの理由にあったようなので、最初少し戸惑いましたが、おそらくアメリカ軍のままでいたことは間違いないと思います。

その後、曲はゴールドラッシュへと続きます。
米墨戦争は1846年~1849年。ゴールドラッシュのきっかけとなる金鉱の発見は、1848年1月23日です。ゴールドラッシュの初期に参加した人々は49年に一斉にカルフォルニアに押しかけたとのことなので、『49年組』と呼ばれており、実際に曲中にも出てきます。

さて、『弱いもの~』はとりあえずあとに回すとして、『いつ死んだっていい~』を考えたいです。
『男』は、いつ死んだっていいと思いながらも、故郷に残してきた妹に仕送りを続けています。
またそんな中ディアナという恋人が出来、子どもも出来、少しの幸せに浸ることになりますが、破落戸の野心家に背後から刺されて死んでしまいます。

確定できる情報はこんなところだと思います。
では、飛ばした歌詞の部分を考えて行きたいと思います。
『弱いもの集まればより弱いものを叩く~【退役した男】は流浪の酒浸り・・・』
とあります。
しかし、この直前にゴールドラッシュの描写があり、時系列が不明です。

この時期、アメリカでは先住民から領地を奪うための戦争が頻発しており、(カイユース戦争、ローグリバー戦争など)数年ゴールドラッシュに参加したのち戦争に参加したとも考えられなくはありません。しかし、軍人が数年ゴールドラッシュに参加したりなどフットワークの軽いことが可能なのだろうかという疑問があります。当時アメリカ軍は開拓民を集めた有り様だったようで、法律も十分でなかったことは考えられますが。
または、ゴールドラッシュの最中、世界中から人が押し寄せており、無法地帯となり銃を用いた小競り合いが頻発していたそうです。それに膝を撃たれたのかとも考えましたが、『退役』といえば普通軍隊のことなのでちょっと不自然かなと。



長くなってしまいました。次の記事に続きます。