Nein考察 名も無き女の詩・愛という名の咎・忘れな月夜
いよいよ、残りの楽曲について調べたところをば。檻の中の箱庭、骨董堂以外です。
とくに忘れな月夜や愛咎なんかに関しては原曲の情報が多いかと思うので、そちらの考察と別に補足という感じになります。
3つまとめなので駆け足の感じがあるかと思いますが、ご容赦ください。
骨董堂と箱庭に関しては、歴史の事実を調べるというよりこれまでの地平線との繋がりから妄想をふくらませるという形になりますので合考察で…(そもそも総合考察がやりたくてこの記事を始めたので…時間がかかってもやりたいです…)
【名も無き女の詩】
フランスパンが登場しますね。
砂糖を使わないから生地が硬く、柔らかい食感なんだそうです。
従来フランスでは、土壌や気候の関係から、生産される小麦はグルテンの乏しい物が主らしく他国のようなふっくらしたパンは難しいそうです。歌詞の情報と一致しています。
1920年、法規制によってパン職人の働ける時間がソレ以前より短くなったらしく、そのせいで焼き時間も制限され今のような長いタイプのフランスパンになったとか。
ですので、バラッドが登場するこの時代はフランス革命より前の話と思われますから、我々が思うような長細いフランスパンではなく、丸いパンが中心だったと思われます。(ライブ会場でもありましたね…)
ちなみに、パンを発見したのは古代エジプト人だそうです。
歌詞中に【帝都パリ】と出てきます。
パリはフランスの中ではずっと要所だったようですが、我々の知る歴史でパリを帝都と呼べるのは皇帝ナポレオンが即位しパリを首都としたあたりでしょうか。
しかし以前の涙焔の考察とは時期が合わなくなります。
少なくともクロセカにおいては、詩人バラッドの悲劇→辿りつく詩でその間に聖戦と死神が入ります。聖戦と死神におけるアルヴァレスがロマン・見えざる腕に出てくるアルヴァレスだとしたら、ローランサンが登場するのはこれより後の時代でなくてはなりません。
ただ、サンホラ世界ではブリタニア暦627年、聖キルデベルト6世が初代皇帝として帝政を敷きます。のでまさしくパリは帝都なわけです。
涙焔に当てはめると、アンシャンレジームと呼ばれたのはこの帝政のことと思われますので、帝国暦9年に一旦戦争が終結したのち、そののちの皇帝の御代に革命が起こったと考えるのが妥当かと思います。(数年しか時間が経っていなくても、この乱世においては何代皇帝がたったかというのは推測しかねるものがあります。)
ルーナ・エンディミオともに元々ブリタニアにいたはずですが、ルーナはなぜかフランドル帝国パリに居ます。エンディミオは冬薔薇女王に謁見しておりますのでブリタニアにいたようで、なぜフランドル帝国にいるのかはわかりません。行き倒れていたようですが。両国が戦争状態中にブリタニアからフランドルへ渡るのはかなり難しいと思うので、帝国暦9年からフランス革命が始まるくらいまでの間にフランドルへ渡ったのではないでしょうか。曲中では、パリもずいぶん平和そうですし。
【愛という名の咎】
以前から、エレフは一時期海賊に身を寄せて旅をしていたとありましたが、公式で出てきましたね!
古代ギリシャにおいて、海賊は「イーリアス」「オデュッセイア」などにも登場する存在です。海賊というと悪者の定番ですが、当時少なくとも奪われた物を奪い返す略奪行為は当然の行為とみなされていたよう。狩猟と同等に生きるための職業となっていたようです。
地中海のギリシャ海域は無数の小さな島からなっており、海賊が隠れ場所から隙をつくのにおそいかかるのに適していたようで、船人を困らせていたとか。
【忘れな月夜】
エリーザベトが修道院へ身を寄せている様子が描かれています。
この修道院とは、クヴェードリンブルグ修道院のことではないかと思われます。
ザクセン選帝侯であったクリスティアン1世も娘ドロテーアが修道長をつとめており、ドロテーアにはエリザベートという1年しか生きていない姉がおったようです。
このエリザベート、まず間違いなくエリーザベトのモデルの1人でしょう。
当然ながら史実のエリザベートは生まれてすぐに死んでしまっているため、その生涯に関してはまた別の貴族からの引用でしょうね。
Nein考察 食物が連なる世界・憎しみを花束に変えて
各曲、とりあえず調べているところまでは、なんとか記述していきたいと思います。
今回は2曲記述していけたら…タイトルの2つです。
【食物が連なる世界】
こちらはThanatosより輪廻の砂時計。
原曲では女の人が死にそうだとしか思えずに全くもって申し訳ない。
ところどころ推測しながら補完しつつ【否定】をしているとあるので、歌詞は他の地平線からの引用が多いです。
末端神経系植物性機能とは…要するに自律神経系のことだそうです。
末端神経系のうち、植物性機能を担う神経系のことだとか。その逆は体性神経系で、感覚神経、運動神経などを司っているそうです。
歌詞からは、子供を失い自律神経失調症となったことが伺えます。
自律神経が乱れると、身体に様々な症状が現れます。内臓の機能をはじめ、ホルモン系や血圧、体温、免疫など…生きていくのに必要な機能を司っています。
輪廻の砂時計においてもこの症状が起こったと仮定しましょう。
しかし、自律神経が乱れたことそのもので死にいたることはありません。自律神経の乱れが長引いたことによって他の病気に罹り…というのが自然かと思います。
特に、子供を喪い精神的に弱っている時ですから、免疫や治癒力がさらに落ちていると考えられますので、輪廻の砂時計においてはそのまま銀色の馬車に導かれてしまったのでしょう。
また、自律神経系の発見は1900年にはいってからのことです。
赤ちゃんが保育器に入っているような描写や、《冷たい管》などの単語から、かなり近代寄りの時代と考えられます。
そもそも古い時代だと、現在考えるよりもっと出産は危険なことで、生まれた子供がなかなか育たないことも珍しく無いでしょうから、やはり現代に近い頃かと。(例えば、時代が新しくても戦争がある時代・場所の場合も安全な出産が難しかったりするのではないかと。)
また、この曲における夫は《子供に関する福祉団体に長年勤める優しい男性》だそうです。これはもしや…
【憎しみを花束に変えて】
スターバックスの1号店は、1971年シアトルで開業したそうです。
ドリンク販売が始まったのは1982年、1987年から店舗と商標を購入となり、現代のような営業になったとか。結構最近のことなんですね…
なので憎しみを花束に変えては、かなり最近のココ20~30年くらいの話と考えられます。ほぼ現代と考えてよいかと。
また、世界で一番最初に出来た児童虐待防止団体は1874年4月ニューヨーク児童虐待防止協会というやつらしいです。その次がロンドン。スタバ発祥の地と考えても、アメリカでの話かと思ってしまいますが、歌詞にヴェルセーヌコレクションというものが出てきます。
ヴェルセーヌとは、聖戦と死神において帝国暦4年ヴェルセーヌ休戦協定会談が結ばれた場所。当然神聖フランドル帝国の地名です。便宜上フランスのベルサイユです。
フランスにスターバックスが出来たのは2004年の話だそうで、さて困りました。
ここで、世界各国の銃規制について見てみましょう。
Stardustにおいて登場するアイテムであり、憎しみを花束に変えてにおいてでも「中の物は返してね!」と言っていることから、銃を所有していると考えられます。
読んでいただければかなり詳細に記述があります。
アメリカは、ご存知の通りの銃社会。購入者の身元照会が必要となる登録制だそうで、州によって差があるそう。ただ、単純所持を禁止した州に違憲判決が出されたことがあるらしく、所持が出来ない地域は無いと思っていただければと思います。
拳銃の購入は21歳から可能とか。また、アメリカは古い銃なんかは登録なしで売買出来る抜け道もかなりあったりするらしくスタダ子が銃を入手することは難しく無いと思います。
フランスでは、銃の種類によって扱いが違うようです。そんな国は沢山ありますが、かばんに隠しやすく犯罪に使いやすい小銃のほうが規制が厳しいようです。フランスもその例に漏れません。花束に隠せる銃ということで、小銃と考えて間違いないと思います。
フランスは2002年以降の銃乱射事件から銃規制が厳しくなっており、その前後どちらかでそのへんの女性が銃を入手できるかどうかがかなり変わってきます。ただ、復習に銃を使うためにわざわざ許可の申請をするのは不自然かと思うので、やはり身分照会で購入できるアメリカの州と考えるのが自然かと思われます。
ちなみに、どちらも移民がかなり多い土地柄なので、名前のステラ・ルナ・ジーノから国を考えることは難しいかなと思います。
さて、食物の歌詞に出てくる『福祉団体』がスタダ子の設立したものだとしたら、スターバックスがこの世に存在する以降の話であることになるので、1987年以降の話ということになります。
食物の彼は、「長年」勤めていたそうですから、10年くらいは働いていると考えていいかと思います。また、福祉団体を設立するのはモデルとしてショーに出て、いろんな恋をした後のことです。
そのため、1987年ちょうどにジーノと出会ったとしても、福祉団体を設立したのはまたその数年後、そして福祉団体が出来てすこしあと彼が働き始めて、食物子と出会い…という流れが完成します。
2000年代になれば世界各国にたくさん児童福祉団体がありますから、別に無理に同一のものと考える必要はありません。しかし、Neinは全ての地平線を無理矢理に一つの箱に入れて観測したものですから、私はむしろ全ての曲がつながっていると考えています。いずれ全ての基礎情報をまとめたら、総合考察という名の妄想を繰り広げたいところです。
neinコンサート所感
Nein考察3 言えなかった言の葉・アスピリン
一応漫画の感想とか書いてたブログなんですけど全然サンホラのことばっかになってしまい申し訳ない…だって好きなんだもの…
これでもしがない会社員でして、仕事の合間にサンホラの考察を進めるような窓際ゴミ社員ですが生きてます。今日はアスピリン…言えなかった言の葉について書き進めたいと思います。
そもそもヤナギの葉の解熱作用とはなんと古代ギリシャ時代から知られていたようです。おそらくエレフやミーシャたちの時代からあるものです。
アスピリンという便利な薬がすでにあるのにヤナギの話をしたのは、なんとなくギリシャとの繋がりをもたせたのかしらなどと深読みしてしまいます。
19世紀→ヤナギの木からサリチル酸が分離される。(副作用として強い胃腸障害)
1879年→バイエル社 フェリックス・ホフマンによりアセチルサリチル酸の合成
1899年3月6日 バイエル社によってアスピリンの商標が登録
1900年 粉末を錠剤化→鎮痛薬の一大ブランドに
という経緯があるようです。
1900年前後の話ということが確定しますね。《最新の医薬品》と言っているので。
また、アスピリンの売上ナンバーワンの国はアメリカだそうで、20世紀初頭にはバイエルの売上の1/3を占めていたそうです。
ここでの疑問として、
《あの時の魔法のお薬》?と言っていることです。これ以前にアスピリンを摂取する機会があったのでしょうか。
2つの候補として考えられるのは、
・病床の母親が摂取した
・妊娠中に摂取した
かなと。
ただ、魔法のお薬と言っているからには、劇的な効果が合ったはずです。
母親が摂取していたとしたら、母がすでに亡くなっている以上薬への信頼感を失っていなければおかしいわけです。
妊娠中に摂取というのは、アスピリンは不育症という症状に処方されることがあるようです。2回以上流産を経験していて、なかなか出産に至らない方の症状が改善することがあるよう。
ただ、調べたところ不育症に対するアスピリン療法は1980年代後半に初めて報告が見られるらしく、この時期になると最新のお薬とは言えません。これ以前に流産を経験したような描写もないですし。
なので、曲中で語られていない物語なのか、はたまたどこかにヒントがあるのか…
普通に考えれば少し前に自分も熱を出したということかと思うんですが。
また、最後の手紙に出てくるDear Johnというのは、ハロ夜に登場するジョニーではないかとよく言われます。
ゴールドラッシュは1849年のことですから、もし白ひげ先生がジョニーだとしたらだいたい50歳前後かと思われる年齢です。無くはないのが面白いところ。
そして、手紙の内容は白ひげ先生がジョニーだとした場合おそらくレニーのお母さんでしょう。その場合も70歳以上というくらいの年齢でしょうか。
ジョニーたちはアメリカ大陸にいると思われるので、アスピリンの消費量と合わせても辻褄が合うかなと。(さらに、おやすみレニーで語られた「夫の仕事の都合」がゴールドラッシュだった場合、カルフォルニアのある西海岸に浮かぶいくつかの諸島から舞台も特定できるかもしれません。)
ちなみに、Dear John Letterというものが英語圏に存在するらしいです。
これは、戦地へいる男性に女性が別れを告げる手紙らしく、今回の件には関係ないかな…?と思うのですが書いておきます。
恋人は普通愛しの~とか、マイ・ダーリン~とかから手紙を始めるのに、親愛なると一般的な書き方から始まるので、別れの手紙だ…となったらしいです。兵隊さんも大変だ…
Nein考察2 涙焔つづき
前回の記事の続きをば。
長々と申し訳ないですが、涙では消せない焔の時代背景続きを考察していきます。
歌詞に出てくる【断頭台】について。
1792年4月25日、フランスの議会で正式に処刑用の道具として認められたようです。
それまでは、身分によって処刑方法が違い、中にはとても残酷なものもあったとか。
しかし、ギロチンの登場により、処刑の効率が上がり、1日に数十人処刑されることもあったそうです。
1794年、7月27日、テルミドールのクーデターというものが起こります。
それまで、ロベスピエールを筆頭としたジャコバン派の恐怖政治に不満をもった議会がクーデターをおこし、7月28日にはロベスピエールら22人がギロチンによって処刑されたとか。
そもそも恐怖政治ということで、ロベスピエールはアントワーヌ・フーキエ=ダンヴィルという検事に死刑を指示しまくっていましたが、そのロベスピエールもギロチンにより死んでいきます。さらにフーキエ=ダンヴィルその人も、ギロチンによって処刑されることになります。
この状況を、当時のフランスの人々は「ギロチンの嘔吐」などと呼んだらしいです。
このあたり、いかにも陛下が好きそうな感じだし、歌詞の内容にも合うかなと。
フランス革命の前後ということもあり。
これを踏まえ、ローランサンはromanに出てきたローランサンと同じ存在とすると、赤髪と金髪のローラン(とアルヴァレス)はフランス革命戦争より少し前の戦争に参加していたのか~?と仮定することが出来ます。
しかし聖戦と死神における、例えばケルト神話の神の名であったりアーサー王伝説であったりは、もう少し古い時代の話ではないかと言う印象を与えます。
また、クロセカにおいてアルヴァレスは白銀の甲冑をまとった死神と呼ばれたはずですが、骨董堂では英雄だと紹介されています。彼は志半ばで暗殺されたのでは…?
ただ、聖戦のイベリア・侵略する者される者において、最後イベリア半島に再び争いがもたらされるような描写もあります。
グラナダ陥落は1492年のことなので、もし聖戦と死神におけるカスティーリャ征服が迫っていることを示唆してのことであれば、不思議ではありません。
考えれば考えるほどわからなくなってしまうのですが、しかし少なくとも涙では消せない焔における時代背景は上記のような感じかと。
(Romanの焔とどう繋がっているかなどは、また別に考えましょう!)
Nein考察1 涙では消せない焔
いよいよ、Sound HorizonのニューアルバムNeinが発売されましたな!
いきなり考察をしていきたいです。
長くなるので、興味が有る方だけ読んでいただけたら…。
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まずは、涙では消せない焔から。
時代背景を仮定しつつ、調べてみました。アンシャンレジームだとか英雄だとか、色々そのへんからヒントをもらいつつ。
【涙では消せない焔】
※ルソーやヴォルテールにより、社会契約説の登場→知識人に影響を与える。
アンシャンレジームに対する不満が募っていく…
1787年 フランス王権に対する貴族の反抗
1789年7月14日 バスティーユ監獄襲撃 全社会層を巻き込む本格的な革命へ
1792年4月20日~(1802年3月25日) フランス革命戦争
革命を恐れたオーストリアによるフランス革命への干渉を契機として開戦。
1793年 第一次対仏大同盟
…イギリスが中心となり、オーストリア、南ネーデルラント、ナポリ王国、プロイセン王国、サルデーニャ王国、スペイン王国が結んだ同盟。革命思想が自国へ波及することを恐れる。
1976年3月 ナポレオンがイタリア方面軍事司令官に就任、イタリア遠征。
1979年 カンポ・フォルミオの和約
…オーストリアが一旦だつらく。フランスは一時危機に陥っていたが、革命の熱気の余波が戦争にも及び国家総動員体制だったらしい。
1798年 第二次対仏大同盟
…オーストリア再度参戦、フランスは再び劣勢へ陥ったが、ナポレオンがエジプト遠征から帰還し最高権力を掌握
1799年 ナポレオン・ボナパルトによるクーデター、帝政樹立(このへんまでを革命期と呼ぶらしい)
1802年3月25日 アミアン和約、イギリスも休戦→フランス革命戦争は集結…
そして1803年、英仏はナポレオン戦争へ突入…
とまあ、このあたりの時代かなと思います。
列強がフランス革命の火を恐れて消しに来る…というのは辻褄が合いますし、ちょうどギロチンが開発されうねりをあげていた時代でも有ります。(ギロチンについては次の記事で!)
ローランサン将軍をあのローランサンだとして、はて確かに激動の時代であります。
じまが歌うローランサン将軍は列強が火を消しに来ると言っているので、ローランサンは確実にフランス側だと思います。更に言うなら《新たなる支配者(えいゆう)》を奉りあげ~~と言っているので、革命により共和制が敷かれて後、ナポレオンが皇帝になったあたりではないでしょうか。
その後しばらくして、フランス革命戦争としては一旦終結します。(第二次百年戦争のさなかではありますが)
ので、ローランサンが帰ったのはまさしくその頃ではないかと。
少し調べただけでも、このあたりヨーロッパは激動の時代です。
夫が戦争に出るだけでも不安なのに、夫の留守中一人で子供をまもっていられるか…それが怖くて子供をなすことを拒否したのでしょうか。
※基本的にインターネットで調べた情報を組み合わせてのものですので、間違っているところなどございましたらご教授くださいませ。続きます。